間取りを活かす
21世紀になり、情報社会はより高度に発達・進展し、これからもさらに弾みがつくことは確実です。そのような時代環境では、仕事や勉強、家事やお付き合いなど、いろんなケースで今までとは違った能力が求められると言われています。一例をあげますと、ITのさらなる発達で、従来の事務処理能力や知識の豊富さより、創造性やひらめきなどがなお一層求められる時代になり、キーワードは「創造力=クリエイティビティ」でしょう。この創造力はご存知のように人間の脳の「右脳」から生まれ、もちろん小さい頃から育めますが、どうも住環境が大切なようです。そのポイントは親子・夫婦のコミュニケーションをベースにした間取りで、コンセプトハウスでは2つの創意工夫でカタチにしています。
即座に答えがひらめく、新しい発想ができる、結果を予測できる、というような能力を育むためには、用途をはっきりさせたり機能性を優先させたりした間取りより、むしろあいまいな空間をつくって、ワクワク感のある間取りにすること。それが日々の暮らしのなかでさまざまな発見につながり、直観力を養う役割を担います。
和ごころ工房では家族が自然と集まるファミリールームに仕切りを設けず、少し離れた和室までのびのびした回遊性を持たせ、いろいろなコミュニケーションや出会いと発見ができる配慮を加えています。
見たもの・聞いたものを後から思い描いたり、2次元の図形を見て3次元の立体を想像したり、一定の範囲の中にある人数を概算したりするような能力は、住まいの中に光の変化を与え、光の楽しさを演出する方法で叶えられます。
和ごころ工房では吹き抜けと独自の照明計画で、光とともに通風による風合いなども暮らしの中に採り入れ、家の中にいても自然の変化が感じられるようにプランニング。さらに大きなウッドデッキはアウトドアでのライフスタイルを誘い、そこで季節ごと、時間ごとに表情を変える光と風を体感することで、豊かなイメージ力を養う工夫をしています。
音楽を聴いたり、映画を観たり、絵画に触れたりした感想や印象など、言葉にしにくい抽象的なものを具体化する能力を培うためには、何よりもコミュニケーション能力が大切となります。
住まいの中に交流スペースをとり、そこに子どものお絵書きや工作を飾ることで、子どもは自信を持ち、自ら自分の思いや感じたことを伝えようとしていきます。それは親子・兄弟・友人・仲間とのコミュニケーションを活発にし、家庭はもとより学校や塾、地域でのコミュニケーション能力を磨くことに通じます。
コンセプトハウスでは壁などにニッチという小さな飾り棚を設け、住まいの各所に展示スペースやコーナーを配置。さらにデスクコーナーにもさまざまなオブジェを飾るなど、芸術性を養う仕掛けが点在しています。
これはグループの意見をまとめたり、複数の仕事を同時にこなしたりする能力で、そのためにはまず同時に複数のことをしやすい環境づくりが必要となります。具体的にはダイニングでママが料理する音を聞きながら勉強したり、パパの好きなBGMを耳にしながらプラモデルを作ったりするようなシチュエーションです。
和ごころ工房ではファミリールームがその中心ステージになります。デスクコーナーやスタディコーナーでは、家の中を行き交う家族の会話にも気をつけながら勉強することで、この能力を養えるようにしてあります。